相続とは、死亡時にその人が所有していた財産を、特定の人にその財産の権利を引き継がせる事を言います。遺言は、被相続人が自らの死後の相続についての意思を示した書面であり、これに従い相続が行われます。相続をめぐるトラブルは複数関係者の利害の不一致により泥沼化しかねません。円満に相続を終えるための効果的な対策として、遺言を残すことや、生前贈与の手続きが挙げられます。
相続の流れ
遺産相続手続きの全体の流れを説明いたします。
1.被相続人の死亡後、7日以内に役所に死亡届、死亡診断書を提出する。
2.葬儀社に通夜・葬儀の依頼をする。
3.遺言書がある場合、家庭裁判所に提出し、相続人の立ち会いのもと開封する。遺言書に従い分配協議をする。
4.遺言書がない場合、法定相続人の確認、相続できる財産の確認をし、分配協議に入る。
5.相続人が決まったら、被相続人の準確定申告を行う。
6.協議が成立後、遺産分割協議書を作成し、相続財産の名義変更、相続税の申告を行う。
分割協議がうまく成立しない場合は、家庭裁判所に遺産分割調停の申し立てを行います。調定が成立しない場合は遺産分割審判が行われます。さらに審判の内容に納得がいかない場合は相続裁判へと進みます。
■法定相続人は誰なのか
法定相続人は、民法で定められている相続資格のある親族のことをいいます。被相続人の配偶者は必ず相続人となります。法定相続人が二人以上いる場合は、下記の順番に従って遺産を分けていきます。
1.直属の子供。(養子や養子に行った実子、認知されている非嫡出子、胎児も含む)子供が死亡していれば孫。
2.子供がいない場合、父母。父母が死亡していれば祖父母。
3.配偶者、子供、父母がいない場合、兄弟姉妹。死亡していれば姪や甥。
■相続にかかる費用
相続財産の名義変更に必要な謄本などの発行費用で3000円ほどかかります。不動産の場合は評価額の0.4%の登録免許税を支払う必要があります。弁護士に依頼した場合は、相談のみであれば無料だったり30分あたり数千円ほどですが、手続きの代行をお願いすると、相続額にもよりますが数十万円以上かかります。
弁護士に依頼するメリット
相続で困っている人の殆どが、何をしたら良いのかわからないという悩みを抱えています。慣れない作業で大変なことが多いため、弁護士に依頼することで無駄な争いを避けてスムーズに進めることができます。弁護士は完全な第三者であり法に基づいた主張ができるため、当事者同士も感情的にならずに話をすすめることができます。
弁護士に依頼するデメリット
報酬金額が高額であることが挙げられます。また、弁護士にお願いしたからといって必ずしも望んだ結果になるとは限りません。感情や人情関係なく、法の元進められるので、かえって親族の和を壊してしまったりすることもあります。