債務整理とは、債務(借金)が増え続けて返済が困難な人が、債務を減額したりなくしたりできる国が定めた救済制度です。自己破産は債務整理の手段の一つであり最も重い手続きになります。債務整理はノーリスクでできるわけではありませんが、日常生活に支障をきたすほどではなく、人間らしい生活を取り戻すことができます。
債務整理について
債務整理は大きく分類すると自己破産、個人再生、任意整理の3種類に分けられます。それぞれ簡単に説明いたします。
■自己破産
裁判所に破産を申告し、すべての債務を免責してもらう代わりに、すべての資産を失ってしまうといういわば最終手段です。自己破産は次のような流れで行われます。
1.裁判所に破産を申し立て、裁判所で審尋(事情聴取)が行われる。
2.破産決定後、財産がある場合は管財人(没収する財産を管理する人)が選定される。債権者に配分される。財産がない場合は同時廃止(免責)される。
3.債権者集会で財産分配について話し合われ、決定後配当される。
4.免責の許可が降り、手続完了となる。
■個人再生
裁判所に申し立てて、債務を3~5年で払うことを条件に、最大5分の1にまで免責してもらう制度です。法的な強制力が生じます。個人再生の流れは次のように行われます。
1.裁判所に個人再生を申し立て、審尋(事情聴取)が行われる。
2.弁護士などの代理人を通していない場合は、個人再生委員が選定され、面談が行われる。
3.返済の履行テストが行われる。
4.財産状況と債権の再確認が行われ、変更があれば報告する。
5.再生計画を元に返済を開始する。
■任意整理
裁判所を介さずに、債権者との話し合いによって債権の見直しや減額を行う方法です。法的な制限がないため強制力がない一方柔軟な対応が可能になります。最も一般的な債権整理になります。任意整理は次のように行われます。
1.一般的には弁護士などの代理人を立てて、債権者に介入通知し督促を止める。
2.返済履歴の収集をし、金利の引直計算を行います。
3.返済計画を立て直し、和解契約が成立すると手続き完了となる。
債務整理にかかる費用
弁護士への依頼料としては場合にもよりますが10~60万円ほどです。
債権整理メリット
一人では返済することのできないふくらんだ債務を、国や専門家の力を借りて現実的に返済することができます。その際、返済額が減額されたり、免責することができます。
債権整理のデメリット
手法によって異なってきますが、5~10年はブラックリストにのってしまい、クレジットやローンの利用ができなくなります。自己破産の場合は財産を手放さなくてはならなかったり、一定の期間職業制限があります。また弁護士などに依頼する費用がかかります。