2016年は国内で約62万組のカップルが生まれた一方、約22万件のカップルが離婚しました。離婚をテーマとしたドラマや小説が世に溢れ、わたしたちにとっても離婚は身近な出来事になってきています。
離婚手続きの流れ
離婚手続きには大きく分けて、協議離婚、調停離婚、裁判離婚の3つのパターンがあります。それぞれの流れを説明します。
■協議離婚
夫婦の話し合いによって進められる離婚です。日本の離婚の9割はこの協議離婚です。
1.離婚後の生活費や生活環境、財産分与、慰謝料、子供がいれば親権や養育費などについての話し合いを行う。
2.話し合いでまとまった内容を離婚協議書または公正証書にまとめる。
3.役所から離婚届をもらい、夫婦の署名捺印をする。未成年の子供がいる場合は、親権者を明記する。
■調停離婚
夫婦での話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所の調停により離婚が進められます。裁判に比べると強制力はないため、最終的には夫婦の同意が必要となります。
1.夫婦のどちらかが家庭裁判所に調整を申し立てる。
2.数回の離婚調停で調停員を通して財産や慰謝料、親権などについて話し合われる。
3.夫婦の合意があり、離婚調停が成立したら、裁判所が作成した調停証書と離婚届を役所に提出する。
■裁判離婚
家庭裁判所の調停において相手方の同意が得られない場合は、裁判によって離婚が進められます。
1.家庭裁判所に訴状を提出する。
2.数回の口頭弁論が行われる。
3.離婚請求の容認・棄却が判決される。
4.提訴がなければ、判決が確定される。納得がいかず提訴があった場合は、高等裁判所、さらに上告すれば最高裁判所で争われる。
5.確定後、役所に離婚届、戸籍謄本、判決書謄本および確定証明書を提出する。
訴訟の途中で裁判官が和解を勧めて来ることもあります。必ずしも判決が出るわけではありません。
離婚手続きにかかる費用
調停離婚にかかる費用は謄本代、印紙代、切手代で3000円~5000円ほどです。弁護士に依頼すると30~40万円くらいが相場のようです。離婚裁判に進むと更に2万円ほど印紙代や郵送代にかかり、弁護士に依頼すると、60~100万円ほどかかります。
弁護士に依頼するメリット
離婚調定では調停員に話を聞いてもらいます。事前準備をしていなかったり話下手であったりした場合、不利に話が進んでしまうこともあります。弁護士に依頼すれば準備や書類作成をスムーズに進めることができ、的確なアドバイスによりトラブルを事前に避けることもできます。申立人の4割が弁護士に依頼しています。
弁護士に依頼するデメリット
離婚調停に弁護士依頼をすると、依頼費がプラスでかかってしまいます。また必ずしも良い弁護士に巡り会えるとは限らないので、時間とお金を浪費してしまうリスクもあります。