企業法務とは企業に関する全般的な法務のことであり、組織運営やリスク管理など法律の面から企業をサポートする役割があります。企業は法令を遵守し、会社運営を適切に行わなければなりません。毎年繰り返される法律の改正や働き方の多様化に、企業内の法務担当者だけでは対応しきれなくなっており、専門的な知識のある弁護士のニーズが高まってきています。
企業法務の業務分野について
企業法務は、組織運営に関わる法務、契約に関する法務、コンプライアンスに関わる法務、訴訟紛争に関わる法務の業務分野に分けられます。
■組織運営に関わる法務
組織運営に関わる法務は、会社の設立時の登記申請や定款作成などの手続きから、株主総会や取締役会の運営指導、株主構成に関わる法的手続きを行います。
■契約関連法務
法的な面で問題がないか契約書のチェックを行い、企業の安全な取引を促します。また、新規事業の立ち上げ時などに、商材に違法性がないかの確認や契約書の作成を行います。
■コンプライアンス法務
コンプライアンスとは、法令や規則を守ることをいい、違反行為により企業の信頼を失わないための予防的な法務の分野です。法令や社内の遵守性を高めるために、企業理念や方針を明確化して社内体制の強化を行います。
■訴訟紛争法務
顧客や取引先、社員との紛争が発生した場合に、これを解決するための交渉や訴訟の対応を行います。裁判の代理人を務めるには弁護士資格が必要となってきます。
顧問弁護士を雇うメリット
日常的に法的なアドバイスが受けられるため、問題が起きる前にリスクの回避ができます。問題が起きたとしても、顧問弁護士は企業への理解があるため一から説明をする必要がなく、時間的なコストが短縮されます。また顧問契約をすると都度依頼するよりも金銭的な面でも安く抑えられる場合もあります。
顧問弁護士を雇うデメリット
顧問弁護料として、月額で費用がかかります。法的なトラブルが少なく、あまり相談事項が発生しない企業にとってはかえって高コストになってしまうこともあります。また顧問弁護士は法務担当とは違い社内にいないため主に遠隔のやりとりとなります。