世界中の人とコミュニケーションをはじめ、時と場所を問わずに商品の売買ができたり、ゲーム・動画などのエンターテイメントを楽しむことができたりするなど、私たちはインターネットによって多くの恩恵を受けています。しかしその一方で、インターネットにまつわるトラブルや犯罪は年々多様化しており、利用をしている人もそうでない人も常にトラブルに巻き込まれる可能性があります。
インターネットトラブルの種類
インターネット上で起こっている様々なトラブルについて紹介します。
■名誉毀損、人権侵害
インターネットの掲示板やSNSへはいつでも誰でも匿名で書き込みができます。またそれは不特定多数の人へと即座に拡散されてしまうため、第三者への誹謗中傷やプライバシーの侵害などの問題が起こりやすくなっています。
最近ではリベンジポルノといって、復讐を目的に元交際相手の性的な写真をネット上でバラ撒くといったトラブルが起きています。これまで、名誉毀損、わいせつ物頒布罪、ストーカー規制法違反、児童ポルノ禁止法違反などで対処を行ってきましたが、2014年リベンジポルノ防止法が制定されたことにより処罰されやすくなりました。相手が特定できる状態で公表した場合は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に科されます。
■消費者被害
オークションサイトやフリーマーケットアプリなどの商品取引においては、代金を支払ったのに商品が届かない、届いた商品が広告写真と全然違うなどといったトラブルが発生しています。「ノークレーム・ノーリターン」といった注意書きを理由に、商品の瑕疵担保責任を逃れようとするケースが多く見られますが、写真には故意に写されていないような明らかな損傷などがあった場合には、売り主の免責は認められないとして契約解除や損害賠償の請求ができます。
■詐欺被害
覚えのないメールアドレスから送られてきたURLをクリックしただけで、高額な登録料の請求をされるワンクリック詐欺や、実在する企業を装った偽のメールアドレスやホームページから、クレジットカードなどの個人情報などを盗み出すフィッシング詐欺があります。
ワンクリック詐欺のような架空請求は、被害者が焦って連絡をしてしまうことで個人の特定をする手口です。裁判所から督促が届くなどのことが起きない限り、無視することが大切です。フィッシング詐欺はパスワードの変更をしたり口座の凍結をしたりするなど、早急な対応が必要となります。
■知的財産権侵害
インターネット上ではデータのコピーや拡散は容易なため、知的財産権の侵害をしているサイトや投稿が増えています。違法行為であるという意識の低さから、一般ユーザーが悪意なく侵害しているケースが多いことが問題でもあります。発覚した場合、著作権侵害として刑事告訴されたり、損害賠償の請求をされる可能性があります。
弁護士に依頼するメリット
問題のある書き込みや請求などに対して差止めや取り消しの請求を代行して行ってくれるなど、根本的な解決が期待できます。場合によっては口座凍結の手続きも可能です。また適切なアドバイスを受けることができ被害の拡大を防げるのはもちろんのこと、訴訟対応も可能なためいざという時にも頼りになります。
弁護士に依頼するデメリット
インターネットに関するトラブルは年々手口が巧妙化してきているため、インターネットトラブルを専門とするようなパソコンリテラシーの高い知識のある弁護士を探す必要があります。また依頼料がかかってきますので、被害額が安価な案件の場合はかえって金銭的な負担が大きくなる可能性もあります。