町弁として、かなり多くの場数を踏まれている斉藤先生。そんな先生に特徴や今後の展望などインタビューさせていただいた。
著作
相隣関係をめぐる法律と実務―現代型相隣紛争解決の手引き(ぎょうせい、2011年)共著
「改正有期労働契約制の抜本的再改正を」労働法律旬報2013 1月号合併号(旬報社)
安倍「雇用改革」を切る!憲法をいかし、働くルールの確立を(学習の友社、2013年)
所属弁護士会:埼玉弁護士会
先生が弁護士を志した理由は?
社会の仕組みを法律という考え方で構成する学問に興味関心を持っていたので、自然と法律家になるという道を選択しました。その中で弁護士になったのは、1番依頼者の方と身近なところにいられる仕事だったので選びました。
斉藤先生の特徴って?
いわゆる「町弁」と呼ばれる地域密着の業種なので、例えば労働事件でも使用者側、労働者側双方の代理人をするなど、幅広くやっています。裁判の場数は相当踏んでいると思います。
依頼者様の対応の際にいちばん考えていることは、あまりいいことばかり言わないようにすることです。依頼者様が相談に来られた際は、いくつか選択肢を提示し、それぞれについてのメリットとデメリットを説明したうえで、その中でどの方法が適切かを最後にご本人に選択していただくようにしています。もちろん私なりの意見も申し上げますが、ご本人が決めるにあたって有利な点、不利な点をご確認いただくことが後々の信頼関係にもつながりますので、依頼者様がいい結論を出すためのお手伝いができればと考えています。
弁護士は紛争をソフトランディングさせることも基本的な仕事のひとつだと思っていて、解決に向けてガンガンやって勝ち切ることが、結局は依頼者様のメリットにならないケースもあります。そのため、依頼者様それぞれのニーズに応じた、適切な選択をしてもらうためのサポートを心がけています。また、依頼者様は直面している法律問題のその裏側の問題を実は気にしていることがあります。例えば、離婚の場合、養育費の問題や財産分与、慰謝料自体が本当の目的の場合もありますが、その裏では、離婚した後の生活や、ご親族との関係の問題などを心配されている場合もあります。ですので、法律問題でガンガンやってしまうと、その後の生活がこじれてしまう場合もあるので、法律問題のその先にある問題を見越して、今の法律問題をどう解決していくかを考えています。
今後の弁護士業界とその中での先生の展望について教えてください。
今までは弁護士に頼まなければ分からなかったようなことが、ご自身でもネットから情報を入手できる時代になってきました。そのため、単純に法律問題の解決だけでは済まない部分を弁護士が対応しなければならないことも出てくると思います。また、法律の一般的な解釈はネットの情報で分かるかもしれませんが、他の選択肢はないのか、ネットに出てきた解決方法が本当に最善なのかを、専門家が見た上で検討することも必要だと思います。ネットで調べた情報だけで判断して行動されるのは危険を伴う場合があります。いくら情報化が進んだとしても、知識と経験に基づいた弁護士のプロフェッショナルとしての存在感を発揮していくべきだと思います。
人数が増えて弁護士が淘汰されると言われていますが、むしろ横のつながりをたくさん作ることで仕事のスキルを上げたり、一緒に仕事をすることで解決の質を高めたりすることができると思っています。ですので、弁護士が増えれば増えるほど、横のつながりも増えることは良いことですし、弁護士同士の連携もより必要になってくるのかなと考えています。
今後いろいろ法律の改正が予定されていますので、法律のアップデートに対応できるようにしていかなければならないと思います。法律が変わってから準備を始めるのではなく、事前に法律のアップデートに対応したうえで、常に研鑽を積むことが必要だと思います。
できれば私のところに相談に来られた時に依頼者様の問題をワンストップで解決できるようにしたいと考えていますが、かなり専門性が高い部分もどうしてもありますので、そこは司法書士、税理士の方と連携を組んでなるべく良い方向に向かうようにしていきたいですね。
地域が東京に近いということもあり、越谷にお住まいの方でも、弁護士を頼みたいと考えた時に、東京の先生にご依頼される方も多くいらっしゃるようです。東京と比べて越谷地域の弁護士の質が劣ることはないと思います。地域にお住まいの方であれば、むしろご自宅や勤務先に近い法律事務所のほうがご相談に応じやすいですし、地域性も承知しているので、東京の先生に比べて手厚い対応ができることも多いのではないかと思っています。ですので、越谷地域の法律問題に関しては、越谷地域の弁護士に相談していただけるようなブランディングをしていきたいと考えています。越谷で十分に対応ができるということを地域の方々に知っていただくことが目標です。