四輪車同士の事故の場合、走行時の状況やお互いが交通ルールに則して走行していたかどうかで過失が判断されます。
交差点事故での基本過失割合
交差点では、信号機や道路標識によって優先通行が判断されます。
■信号機のある交差点での事故
信号機のある交差点に直進進入した四輪車同士が衝突した場合、下記のようになります。
青信号で交差点に進入した車:赤信号で交差点に進入した車=0:100
黄信号で交差点に進入した車:赤信号で交差点に進入した車=20:80
赤信号で交差点に進入した車:赤信号で交差点に進入した車=50:50
一方が直進で、もう一方の対向車が右折をして衝突した場合、下記のようになります。
青信号で交差点に直進進入した車:青信号で右折しようとした車=20:80
黄信号で交差点に直進進入した車:黄信号で右折しようとした車=40:60
赤信号で交差点に直進進入した車:赤信号で右折しようとした車=50:50
赤信号で交差点に直進進入した車:右折信号で右折しようとした車=100:0
■信号機のない交差点での事故
信号機のない交差点の場合、道路標識によって優先道路が示されています。通常、優先となる道路を走行している車両の方が、過失が小さくなります。
向かって左方向から進入した車(優先):正面方向に進入した車=40:60
交差点に進入した車:一時停止を無視して交差点に進入した車=20:80
交差点に進入した車:一方通行を無視して交差点に進入した車=20:80
広い道路から交差点に進入した車:狭い道路から交差点に進入した車=30:70
優先道路を通行している車:優先道路に入ろうとした車=10:90
交差点に直進した車:右折した対向車=20:80
さらに互いの過失程度に加えて、下記の修正要素が考慮される場合もあります。
過失が減るケース | 過失が増えるケース |
・減速している(-10~-20) ・先に交差点に進入している(-10~-20) |
・大型車(+5) ・速度違反(+10~20) ・ウインカーなし(+10) |
交差点以外の事故での基本過失割合
交差点以外での事故では、対向車や前後車両との事故、駐車場スペース内での事故があります。
■対向車との事故
直進走行車:センターラインオーバー車=0:100
直進走行車:路外への右折車=10:90
直進走行車:転回車=20:80
■後続車との事故
直進先行車:追越禁止車線での後続追越車=10:90
直進先行車:追越禁止でない車線での後続追越車=20:80
追越車線に車線変更をしようとした先行車:同時に追い越そうとした後続車
=50:50
転回終了直後の直進先行車:直進後続車=70:30
急に右左折をしようとした先行車:直進後続車=80:20
信号待ちなどで停止している先行車:後ろから追突した後続車=0:100
理由なく急停止した先行車:後ろから追突した後続車=30:70
駐停車している車:後ろから追突した後続車=0:100
■駐車場での事故
駐車スペースに止まっている車:駐車しようとした車=0:100
通路を走行中の車:駐車スペースから出ようとした車=30:70
通路を走行中の車:駐車スペースに入れようとした車=80:20
通路を走行中の車:通路を走行中の車=50:50
■交差点以外での修正要素
過失が減るケース | 過失が増えるケース |
・減速している(-10~-20) ・先に右左折している (-10~-20) |
・速度違反(+10~20) ・ウインカー、ハザードランプ遅れ又はなし(+10~20) |
高速道路上の事故での基本過失割合
高速道路は急カーブも少なく信号もないため、車にとっては走りやすい環境ですが少しの油断から大きな事故に発展しかねません。
■車線変更による事故
本線走行中の車:加速車線から本線への合流車=30:70
追越車線走行車:走行車線から追越車線へ進路変更しようとした車=20:80
走行車線走行車:追越車線から走行車線へ進路変更しようとした車=30:70
■同車線中の事故
停止している先行車:後続の追突車=0:100
急ブレーキをした先行車:後続の追突車=50:50
走行車線に駐停車中の車:後続の追突車=40:60
路側帯に駐停車中の車:後続の追突車=0:100
積載物を落とした先行車:積載物によって事故となった後続車=60:40
■高速道路での修正要素
高速道路の場合、一般道路よりも過失の割合が重く設定されるケースが多くなっています。
過失が増えるケース |
・速度違反(+10~20) ・側面衝突(+10~20) ・危険運転(+10~20) ・ウインカー、ハザードランプ遅れ又はなし(+10~20) |