日本弁護士連合会、関東弁護士会連合会、東京弁護士会と、弁護士界にはたくさんの組織があります。これらの組織は裁判所単位で構成されており、全国の弁護士を繋ぐ弁護士による自治組織です。今回は弁護士組織について紹介します。
日本弁護士連合会(日弁連)とは
日本弁護士連合会(日弁連)は、全国の弁護士、弁護士法人、弁護士会の総本山であり、最高裁判所と同様、日本に一つだけある組織です。強制加入団体のため、日本の弁護士は必ず日弁連に所属しています。
日弁連は、他の職能団体とは異なり所轄省庁がありません。自治権が認められているために、弁護士の資格登録・剥奪などの内部統制はすべて日弁連や弁護士会によって行われています。また弁護士教育や公益活動も行われており、運営費用の大半が弁護士資格登録料や会費によって賄われています。
弁護士会(単位会)
弁護士会は、弁護士と弁護士法人によって構成されている組織です。すべての弁護士会を束ねている日弁連と区別するため、単位会ともよばれます。全国52箇所にある弁護士会は、地方裁判所の管轄地域ごとに1つ設けられています。
基本的には1府県ごとに1つの地方裁判所が設けられていますが、北海道には4つの地方裁判所があるため、4つの弁護士会が存在します。東京には1つの地方裁判所しかありませんが、特例的に3つの弁護士会が存在します。
弁護士としての活動を行うためには、日弁連への名簿登録だけでなく、事務所所在地と同じ地域の弁護士会への登録が必要です。つまりどの弁護士も日弁連と各地域の弁護士会に登録していることになります。
弁護士人口の多い地域では、弁護士会の中に更に会派という派閥も存在します。
弁護士会連合会(ブロック弁連)
さらに、弁護士会を高等裁判所単位で束ねる連合会も存在します。全国に8つある高等裁判所の管轄ごとに設けられており、ブロック弁連ともよばれます。弁護士会連合の構成員は弁護士会であるため、弁護士個人が弁護士会連合に所属していることはありません。
弁護士を統治する組織は、大きく分けて日弁連、ブロック弁連、単位会の3つが存在するのです。
3つの弁護士関連組織
東京の3つの弁護士会
東京には、東京弁護士会(東弁)、第一東京弁護士会(一弁)、第二東京弁護士会(二弁)の3つの弁護士会があります。
当初は「東京弁護士会」のみ存在していましたが、内部の派閥争いにより一部弁護士が分裂し、「第一東京弁護士会」を新しく作りました。その後、中立的な立場を主張する「第二東京弁護士会」が東京弁護士会から分裂し、3つの弁護士会ができたという経緯があります。地方裁判所ごとに一つという決まりが出来て以降は、弁護士会の新設が禁止されたため、東京だけ3つの弁護士会が存在したまま現在に至っています。
3つの弁護士会に優劣はありませんが、それぞれ異なる特色を有しています。最大規模の東弁は個人経営のマチ弁が多く、一弁は大手事務所に所属するブル弁やヤメ検ヤメ判が多い、そして二弁は新しいもの好きなベンチャー気質の団体であるといわれています。
とはいえ、はじめに就職する法律事務所のボス弁と同じ弁護士会に所属することが多く、そこに所属しているからといって必ずしも上記の特徴を持っているわけではないようです。