弁護士バッジといえば、丸くて金色のバッジを浮かべる人も多いかと思いますが、世の中には銀色のバッジをつけている弁護士さんがいるのをご存知ですか?実は元々銀色ではなく、長年使い古したことで、金色から銀色に変色したものなのです。
弁護士の証である弁護士バッジについてのエピソードを紹介します。
弁護士バッジには2種類ある
弁護士バッジは、弁護士登録の際に日本弁護士連合会から有料で貸し出されるものです。裏側には個人の弁護士登録番号が刻まれています。自分の弁護士番号を言えない人は偽物であるといわれる程、弁護士にとっては大切な番号となります。失くすと自己破産した人も載る官報に、バッジを紛失した弁護士として広告されてしまいます。
弁護士バッジには、表面を金メッキで覆われた純銀製のものと、純金製のものの2種類のバッジがあります。通常は純銀製のものですが、希望すれば純金製のバッジを選ぶこともできます。ただし純金製なので、プラス数万円はかかります。
純金製のバッジは長年使用しても変色することなくいつまでも金色のままですが、純銀製のバッジは時が経つにつれて表面の金メッキが剥がれ落ち、中の銀色がむき出しになります。さらに時間が経つとくすんで渋みのあるいぶし銀になります。このいぶし銀の弁護士バッジに憧れる新人弁護士は多いため、純金製のバッジを選ぶ弁護士は少ないようです。
新人弁護士の秘密の慣習
弁護士バッジの使い古し度、イコール持ち主の弁護士キャリアを示すともいえるため、新人弁護士の中には、舐められまいとわざと新品バッジを擦って金メッキを剥がすような人もいます。例えば財布の中に入れて持ち歩いて早く剥がそうとしていたりします。
汚い暖簾が繁盛の証だったという昔のお寿司屋さんと似ていますね。個人的には、中学時代に新品のキュッとしまったジャージが恥ずかしくてわざとビロンビロンに伸ばしたことを思い出します。
ちなみに弁護士バッジをなくしてしまった人は新しい金バッジに逆戻りですので、金色バッジだからといって必ずしも新人であるとは限りません。
弁護士を身近な存在に
弁護士は職業柄おカタいというイメージですが、今回のような弁護士バッジのエピソードを聞くと、なんら他の職業と変わらない人間味に溢れた一面もあることがわかります。はじめはみんな新人で、バッジを剥げさせながら経験を積んでいくのです。
今度から金色バッジを見かけた際には新人弁護士かなと想像してみたり、銀色バッジの弁護士を見かけた際には、さてはベテランだなと想像してみてください。きっと少しだけ弁護士の世界が身近に感じられるようになるはずです。