相続に関する相談、解決実績を多くもつ高林先生に本日はインタビューさせていただいた。
メディア掲載多数
著書
・ゼロから始める老後の備え 阪急コミュニケーションズ
・グループ会社の経営実務 第一法規出版
・平均的損害に関する一考察 遠藤光雄喜寿記念論文集(非売品)
所属弁護士会:東京弁護士会
先生が弁護士を志した理由は?
中学時代は検察官になろうと思っていました。
その後、司法試験に合格して、司法修習で検察官や弁護士の方が実際に働いている姿を見ていく中で志望が徐々に変わっていきました。検察官は人を疑う仕事で、弁護士はお客さんを信じて戦う仕事なので、信じて戦う仕事の方が魅力的だなと思い最終的には弁護士を志しました。
高林綜合法律事務所の特徴って?
仕事については相続分野で多くの解決実績があります。
仕事の進め方としては、弁護士がもっている解決スキームにお客さんをはめていく弁護士が多いのですが、それだと、このように進めるので、言うこと聞いてくださいという格好になりやすくなってしまいます。1つの答えにはたどりつけるので悪いことではないと思うのですが、お客さんができることを法律や裁判所を組み合わせていかにやりたいことを実現できるかが重要なので、できそうなことはできそうと言いますし、絶対にできなければ絶対にできませんという形で物事を考えています。例えば、財産を欲しいという時にどんなに仲が悪くなってもたくさん欲しいという人もいますし、あまり仲悪くなりたくないから少しでいいという人もいます。それをはめ込み型の仕事をしてしまうとどんな状況であれ、たくさんとりますといったようにお客さんの意向を無視して進んでしまいますので、そうではなくて、依頼者がどうしたいかということの受け皿を提供していくという考え方を心がけています。
また、ある程度見込みについては、私が認識していることは伝えるようにしています。トラブルだからとりあえず受けてしまうという弁護士が多いですが、ふわっと引き受けないようにすることを意識しています。
今後の弁護士業界とその中での先生の展望について教えてください。
広告が解禁になって約15年くらい経ちます。
私が駆け出しの頃はまだそういう時代ではなくて全部依頼が人の紹介できていました。人の紹介で依頼がくると困っている人が来て、その困りごとに対応するという引き受け方しかできないので、専門家たりえないといいますか、もちろん法律と裁判所に関しては専門家ですが特定分野の専門家というものが育つ環境ではなかったです。
全部紹介でしか来ないのであれば、紹介で来た人の中からさらに選別して自分が得意でやりたい仕事だけやってますでは成り立ちません。裁判には詳しいので基本的には引き受けますが、具体的な内容に関しては、勉強しながら進めていくといったような仕事をしていました。弁護士はその分野の仕事が初めてでもそんな素振りは見せないように対応はしていますが、当時はそういったことがよく起きていました。
広告が解禁になって、欲しくない人にも見せるといったようなDMとかテレアポのようなプッシュ型ではなく、インターネットにプル型の広告が出現して、相続について調べている人だけが見る広告、遺留分について困っている人だけが見る広告が実現して、一般化していきました。
特定の業務について、お客さんにたくさん知ってもらうことができるようになったので、専門家が本当の意味でプロフェッショナルになれる素地が整いました。今後はその傾向がより進行していくと思っています。
そんな中で、裁判所や法律ではなく特定分野のプロとして技能においても知識においても恥ずかしくない位置にいたいと考えています。