自己破産したという事実は、誰にも知られたくないもの。
職場の同僚や上司、家族や恋人など、社会生活で関わりのある人々に自己破産がバレる瞬間はあるのでしょうか?
自己破産とは
自己破産とは、裁判所を通して手続きを行うことで借金の支払い義務をなくしてもらえる制度です。その代わりに自分の資産をすべて失ってしまいます。過重債務者のいわば最終手段ですので、社会的な信用を失ってしまう可能性があり、一般的にはあまり口外したくないことでもあります。
自己破産手続きの流れとして、まず裁判所に申し立てることになります。すると財産の有無によって同時廃止か管財事件かに分かれます。ある程度財産を所有している場合、その財産が換価され債権者に配分されたあとに晴れて免責となります。財産がない場合は、ただちに免責となり手続きも終了します。
この手続き中や、手続き後においてバレる可能性のある瞬間は下記の9パターンとなります。
職場にバレる2つの瞬間
職場にバレた場合、自己破産を直接的な理由としてクビにされることはありませんが、信用問題に関わることは確かです。自己破産したからといって、裁判所などから会社に通知が行くわけではありませんが、他にもバレる瞬間はあるのです。
■給与差し押さえ
自己破産手続きに入る前に、借金をしている業者から給与の差し押さえをされた場合は当然バレます。
■書類入手のため
自己破産手続きの際に裁判所に提出しなければならない書類には、給与証明書類など職場を通して発行してもらわなくてはいけない書類があります。特に退職見込証明書は用途も限られてくるため、何も言わなくても察せられる可能性があります。
家族にバレる4つの瞬間
戸籍や謄本に自己破産したことは載りませんので、結婚を機にバレることはありませんが、将来的に大きな買い物をする時にはバレる可能性があります。元々家族と同居している場合は、バレる可能性大です。
■裁判所からの郵便
裁判所から手続き関係の書類が届きますので、同居している場合、ポストを確認されたらバレます。
■家族を連帯保証人にしている
連帯保証人への債務までなくなるわけではないので、自己破産した時点で代わりに連帯保証人が債権者から請求を受けることになります。また、連帯保証人へ裁判所から破産通知が行きますので確実にバレます。
■大きな買い物がしたいとき
自己破産をした場合、いわゆる金融機関のブラックリストに載るため、クレジットカードの審査が通らない、家や車など大きな買い物をしたい時にローンが組めないため、バレます。
■管財事件となった場合
家や車など、処分すべき財産がある場合は売らなければなりません。同居している家を売ることになった場合、バレないはずがありません。
特定多数にバレる3つの瞬間
なんとパブリックに知らされる手段もあります。
■官報
官報とは、政府発行の広告文書のことです。新聞のようなものです。有料ですが、インターネットと紙面で誰でも購読することができます。自己破産した場合、官報の破産・再生の欄に住所と名前が記載されます。とはいえ官報の購読者は、税務署職員など税務関係の仕事についている一部の人に限られているようです。
■裁判所に行った時
手続きにおいて、裁判所に呼び出されることもあります。管財事件で債権者集会を行う場合には破産者本人が出席しなければなりません。その際、債権者と顔を合わせることもあります。
■個人信用情報を照会された
いわゆるブラックリストに個人情報が載りますので、自らクレジットカードの審査や融資の申し込みやした場合などは、金融機関の職員に照会される可能性があります。もちろん本人同意の上でないと照会できませんので、金融機関の職員なら誰でも閲覧できるものではありません。
自己破産がバレるのを防ぐ方法
弁護士を通して手続きを行いましょう。弁護士に依頼することで、多くの場合でバレるのを回避することができます。
直ちに弁護士に依頼することで、給与の差し押さえなど債権者の取立てを避けることができます。退職見込証明書については、就業規則を元に自力で算出することができますので、弁護士の指示を受けながら作成しましょう。
裁判所から届く郵便物も、すべて弁護士宛に届きますので郵便物からバレる可能性はなくなります。大きな買い物は現金をコツコツ貯めるか、5~10年経過後にしましょう。
ただし家族を連帯保証人にしている場合や管財事件になった場合、家族にバレずに済むことはほぼ不可能ですので、きちんと説明をして理解を得ましょう。